不安に耐える力は、単なる”技術”である(抗うつ剤なしに不安を解消する方法12)
自分を制すれば、他者を制することができる。
少々大袈裟かもしれないが、
他者との関わりにも応用することができる、ということだ。
(ここで云うコントロールとは、「対立」のことではないので注意)
自分の体験だが、
資格試験のために勉強をしなくてはならなくなった。
しかし、なかなか取りかかれないし、やってもすぐ気が散る。
非常に捗らない。
これがなぜなのか、考えてみた。
そして自分の感情と行動の動きを、観察してみた。
まずなかなか始められない。
始めたいのだがいろいろ誘惑があったり、
先に片付けたい雑用があったりと、スタートすらままならない。
どうにか初めても、参考書のページをめくろうとすると、
また別のことをやっていたりする。
成功者は、新しい脳(大脳辺縁系)の働きが強く、
失敗しがちな人間は古い脳(扁桃体)の働きが強い人、
という記事をどこかで読んだことがある。
成功者とか失敗者ということばは語弊があるので、あまり使いたくはないが、
ここではわかりやすくするため、ひとまず用いることとする。
これはつまり、自分の原始的な感情をコントロールすることができれば、
いろんなものに対して成果をあげやすくなる、
ということだ。
あなたが、扁桃体にふりまわされやすかったり、
こつこつ努力しなくてはならないのに、
なぜかやらないで自分に失望したりする原因は、
あなたの扁桃体がズバ抜けで賢いから、である、
と考えてみてはどうだろうか。
なにかやらなければならないのに、
サボってしまう時の自分の感情や行動をよく観察してほしい。
強く決意しているにも関わらず、非常にたくみに気をそらすのである。
また、気をそらすまい、と自分なりに奮闘していても、
何か理由をつけて、優先順位を変えてしまうのである。
努力することが「苦痛である」と感じ、
苦痛からいかにして逃げるか、というところにポイントが当たっているため、
非常に巧妙に、自分を騙し、その苦痛から逃れようとするのである。
努力から気をそらそうとするために、
ずば抜けの頭脳でそこから逃れようとする。
なぜかというと、あなたの扁桃体が、非常に賢いからだ。
大脳辺縁系といった理論や理屈の部位を、
おさえつけて操ってしまうほどに高知脳なのだろう。
以前にも書いたが、扁桃体は、言語を持たない。
だから、自分で自分の真の感情に気づきにくいのである。
しかし言語を持たないから、バカということではない。
言語を持たないだけだ。
ものすごく巧妙に大脳辺縁系を操ってしまうのである。
そのことにちゃんと注目してみよう。
あなたの潜在的な力はすごいのだ。
扁桃体は原始の脳であっても、バカではない。
そしてこのことから、云えるのは、
いろいろなことが可能になる。
爆発的に。
自分の不安に対処する、という対策のためだけに扁桃体と向き合うのではない。
自分の内面、感情をつぶさに観察し、
それに対する対処法を大脳辺縁系で生み出したり、
コントロールすることができれば、
他者を制することも可能になっていく。
他者の扁桃体の動きが、手に取るようにわかってくるからだ。
他者にいつ報奨を与えればいいか(誉めることや、笑顔を見せるなど)、
よくわかってくる。
人間は、報奨に弱い。
ほとんど報奨のために行動しているといってもいいくらいだ。
いつそれを与えれば、他者と和をもってつきあい、
他者に動いてもらえるのか(悪だくみはダメ)、
わかってくる。
後々、このずば抜けの知能を持つ、あなたの扁桃体を、
どう扱っていけば、自分の目的に達成しやすくなるかについて、
もう少し具体的に書いていこうと思う。
あなたが不安を自力で解消するためにやってきたこと、
乗りこえた力は、
ものすごいところへあなたをつれていくのだ。
そのことを、頭の片隅に入れておいてほしい。
やってみて損はないのだ!