あなたを助ける言葉
傷ついた人が傷ついた人を、助ける
抗うつ剤の服用をやめて、自宅で過ごすことも出来ず、
誰にもすがることもできず、
行き場もなく逃げようもなくただ苦しくてもがいていた。
後悔、罪悪感、人生への絶望。
すさまじい恐怖。
原因は自分にある。
自分からは逃げようがない。
だからといって「死」など絶対に選べない。
死はそんなに安易なものではない。体調の激しい苦痛で、病や死への肉体的な苦しみはいやというほど味わった。
自分の中にある自身で解決しなくてはならない問題。
これをどうにかしなければ、この苦しみからは解放されないのだ。
薬は根本的に助けてはくれなかった。
しかし買い物すら四苦八苦の自分が、いきなりグイグイ問題を解決できるわけがない。心がきりさかれているのだから。
そんな時、居場所を求めてハンディキャップのある人たちが日中過ごすセンターに行った。
所長自身にも重い障害があった。
センターに来ている人は、みな自分が苦しいのに優しく接してくれた。
座っていても火に焼かれているような、
いてもたってもいられないくるしみの中で、
何も聞かず寄り添ってくれた。
お菓子をくれたり、コーヒーを入れてくれたり。
所長は、私が情けなく泣きじゃくり、話をするのを、
長い時間真摯に聞いてくれた。そして、ひとつひとつに丁寧に答えてくれた。
聞いているほうも苦しいはずなのに、
顔色も変えず、ずっと聞いてくれた。
すごい人だと思った。
傷は力になる。
とてつもない力に。
絶望は助け合うためのスキルに変わる。
ひとりじゃない。
一緒に生きていこう!