心の傷や不安を強靭さに変える方法
心は傷つくとまるでからだがバラバラにされているように感じられたり、
もしくはナイフなどで刺されたり、
焼かれたりするような痛みを覚えることがある。
じっさい、私は臓器の一部を焼かれるような激しい痛みを十五年間感じていた。
この原因はどの病院で調べてもわからなかったのだけれど、
苦痛は相当なものだった。
比較的決まった時や、時間帯に出ることはわかっていた。
本人にしてみれば、病気としか思えないような痛みだった。
いろいろ模索するけれど、なんとも解決策がない。
生きていればそんな状態に陥ることはある。生きているのだから。
堂々巡りの苦しさ。
思考のループ。
どうにかしようとしてまた撃沈。
余計に傷だらけ。
休んでいれば、時間は過ぎてますます状況がこじれていく。
どうすれば?
どうすれば?
逃げ道がないように感じられる。
未来が暗く灰色に感じられる。
けれども、その傷は力に変えられる。
しなやかで強靭な本当の力に。
切り開く力に。
もっと健全に、人生を愛する力に。
私もまだまだ気分はでこぼこで、世間の人とじぶんを比べると、恥ずかしいくらいで、今日もひどい自己嫌悪でのたうちまわっているけれど、
仕事の依頼もあちらこちらから受けて断るくらいにまで、なんとか這い上がることができた。
四苦八苦で下手くそだけどまずまず明るく子育てもできている。
そして、時間はかかったが焼けるような強い痛みは、もう消えた。
ストレスが起こっても、もうあんな風に火炙りにされるような痛みは感じない。
どうしてここまで回復できたのか。
傷を力に変えた人が、助けてくれたからだ。
重度のうつと診断されても、抗うつ剤も止めて生活している。
本当の苦しみを知っている人たちが、手をさしのべてくれたからだ。
傷は、力に変えることができる。
それは人間に備わっている機能だ。
ではどうすればいいのか。
誰もが備えている脳の特有の機能を使う。
STEP1
まず自分の心の傷を、
「力に変容させよう」
と思うこと。→脳に課題を提起する。
STEP2
いろいろ考えて苦しくなっている状態の時に、
「ではどうすればこれを解決できるか?(力に変容させることができるか?)」
と自身に問いかけること。→具体的な情報と行動を模索させる。
上記を何度もやってみる。
時間は必要だけれど、たぶん、絶対に解決していく。
これは怒りの感情にも使える。
かってにいろいろ傷つくことを言ったり、遠回しに強要したり、
自分と人を比べて優越感に浸り自身のしあわせを認知しようとする他者。
こういった人たちの何気ない行動で、
じわじわと腹が立って怒りがおさまらないことがある。
怒りという感情の苦痛の度合いはかなりのものである。
そこに飲み込まれそうになりつつも、アタマのどこかで、
「では、この怒りに対して一体どうすればいいのか?」
と頑張って問いかけてみる。
すると、脳は答えを出そうとするのだ。
これは生物のおそるべき習性だ。
感情はさておき、脳はいちど課題を与えられるとゴールに向かって模索しようとする習性がある。
その行為は無意識に行われる。
だから、時間はかかるが、必ずあなたの解決する方向へ、自身の脳が導いてくれる。
解決のための情報をいつのまにか選別していたり、
無意識的な行動で自分が与えたノルマをこなそうとしてくれる。
今日明日には解決できないけれど、
かならず脳は解決しようとする。
この機能は感情に左右されない。
たとえていうなら、魔法のスイッチを押すのと似ている。
そして、このやり方であなたが問題を解決したとき、
そこには誰の価値観も介在しない、
あなたの本当の強さ、本当に生き抜く力、
手にいれる力、成し遂げる力が備わっているはずだ。
他者が何をいっても、世界がどうなっても、
あなたが在る限り、この強さは消えない。
あなたが自分の手で掘り起こし、育てた強さだからだ。
永劫不滅の強さだ。
そしてそれは、誰かを助ける正しい力になる。
つまり、
あなたはそれを手にいれるだけの資質と資格があるのだ。
あなたはヒーローになるのだ。
心の傷や、不安を、強靭さに変える方法。