不安に耐える力は、単なる”技術”である(抗うつ剤なしに不安を解消する方法4)
不安という感情は苦しいので、どう押さえ込もうかとついやっきになってしまう。
押さえようとしても簡単にはいかないので、消耗もする。
けれども、不安という感情はわるいものではない。
不安も恐怖も、前進できる方向にギアチェンジできれば、
とてつもない爆発力をもって、
物事を成し遂げることが可能になる。
うまく使えば、偉業を果たすエンジンにもなりうる。
不安は大きな推進力になるのだ。
だから、不安が生じてどうにもならないときには、
「これはわるい感情ではない」
と改めて自分に言い聞かせてみる。
さらに、ああなったら、とかこうなったら、というマイナス思考の渦にいるとき、
「ではこの不安をどうやって生かせばいいか?」
もしくは、
「この不安に対して、どうやって対応したらいいか?」
と脳に問いかける。
以前にも書いたが、脳は命題を与えると即座にその方向に向かおうとする。
問題を解決しようと働いてくれるのだ。
だから、
「この不安をどう和らげたらいいか」
「この不安を、よりよい生活を送るためにどう利用すればいいいか」
と自分の脳に問いかけるのである。
すると、脳はあまたある日々の情報の中で、
それに対応できるような情報を取捨択一し始める。
行動も少しずつ調整されていく。
無意識下であったり、意識下であったり状態はさまざまだが、
とにかく脳は必ず問題を解決しようとする。
これは生命の本質なのだ。
生命は進化という偉業を成し遂げてきた。
多様に分化もしてきた。
生き残るためにどうすればいいか、という命題のもとに。
それには時間が必要なこともある。
自分の行動力がカギになることもある。
それでも結果はかえってよい方向へ変わっていく。
先がどうなるのか、失敗しないか不安な気持ちはものすごくわかる。
いたいほど、理解できる。
最悪のパターンにならないか、傷つかないか…
私も往々にしてそれが怖くなり、右往左往することも多々ある。
しかしひどい不安を乗り越えたあの日々があったからこそ、
あれ以上の苦痛はなかなかもう来ないとわかっている。
地獄の底で苦しんだことが、結果として強さに繋がっている。
あれを乗り越えたから、まあ、これも乗り越えられるだろう、と
どこかでこんな自分でも信頼することができる。
不安は強さを培い、
具体的な行動を起こさせ、
その人を逞しくさせるのだ。
いい方向に使えば、爆発的なパワーになるよいエネルギーだ。
苦痛が大きいから、それをどうにか和らげたいだけであって、
決して無駄なエネルギーではない。
不安をどうやって使うか、
これを頭の片隅にインプットしておくと、
また展望も不思議に変わっていく。
それに、一生懸命なあなたのことだ。
必ず、やりとげることができるだろう。
そして、そういう姿は周囲にも、
ちゃんとどこかで伝わるものである。
自分に誇りを持つこと。
そんなにわるいことは起こらないから大丈夫だ!